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あの時、ユニクロに100万投資してたらニートになれた

Mon Jun 4, 2018
Mon Jun 4, 2018

みなさんご存知、UNIQLOやGUを主力ブランドに展開するアパレル製造小売業の会社です。ファーストリテイリングはもともと、地方の片田舎で創業した会社ですが、実質的創業者である柳井正氏がわずか1代で時価総額約3兆5千億円(2017/09/30)育て上げた超大化け銘柄の一つです。

株価と株式分割の推移

株価

暦年 始値 高値 安値 終値
2016年 42,000 44,370 25,305 41,830
2015年 43,580 61,970 40,610 42,640
2014年 42,500 45,880 30,950 44,040
2013年 22,500 45,350 22,030 43,400
2012年 14,050 21,970 13,600 21,840
2011年 13,090 15,080 8,800 14,000
2010年 17,660 17,660 10,360 12,930
2009年 13,610 14,550 7,750 17,470
2008年 7,550 14,550 7,270 12,980
2007年 11,550 11,640 5,970 7,980
2006年 11,660 12,200 8,680 11,360
2005年 7,900 12,480 5,520 11,530
2004年 6,530 9,100 6,430 7,800
2003年 4,230 7,260 2,690 6,510
2002年 11,990 13,200 2,270 4,180
2001年 22,500 27,950 10,000 11,660
2000年 41,600 56,000 16,550 22,380
1999年 1,980 43,500 1,980 41,600
1998年 2,080 2,200 1,050 1,998
1997年 3,000 3,950 1,860 2,090
1996年 5,150 5,500 2,600 2,970
1995年 11,500 11,800 4,810 5,130
1994年 14,900 21,500 9,700 10,900

備考

  • 2014年、(3月)香港証券取引所にHDRを上場
  • 1999年、(2月) 東京証券取引所一部銘柄に指定
  • 1997年、(4月)東京証券取引所二部に上場
  • 1994年、(7月) 広島証券取引所に上場

株式分割

暦年 株式分割
2002年 2002年4月19日[ 1: 2 ]
2000年 2000年10月20日[ 1: 2 ]
1997年 1997年10月20日[ 1:1.1 ]
1996年 1996年10月18日[ 1:1.1 ]
1995年 1995年10月20日[ 1: 2 ]
1994年 1994年10月20日[ 1:1.5 ]

もし100万円投資していたら

2017年10月4日時点の情報で計算しています。

パターン1 安値で買って、高値で売った場合、2億3千万

ファーストリテイリングの今現在の上場来安値は1998年の1株1050円、上場来最高値は2015年の1株61970円です。これを元に計算していきます。

1998年(1株1050円)時点で100万円投資していれば、約952株購入できていました。

株式分割を2000年に1:2、2002年に1:2と行っていますので、2015年時点での持株数は約3808株になっています。

これを2015年の株価61970円で計算すると、61970×3808=235,981,760円になります。その額なんと約2億3千万円です。

投資期間は約17年とかなり長いですが、2億3千万といえば、サラリーマンが新卒で入社して定年を迎えるまでの生涯賃金とほぼ等しいですから、そう考えるとかなりいい投資先だったことがわかります。配当金だってありますしね。ちなみにファーストリテイリングは2016年の期末配当金が165円、中間配当金が185円ですから、2016年の配当金だけでも約130万にもなります。

パターン2 上場時に買って、高値売った場合、8千万円

上場時の終値10900円、上場来最高値は2015年の1株61970円です。これを元に計算していきます。

1994年(1株10900円))時点で100万円投資していれば、約91株購入できていました。

株式分割を行なっていますので、2015年時点での持株数は約1321株になっています。

これを2015年の株価61970円で計算すると、61970×1321=81,862,370円になります。約8千万円です。

安値で買って、高値で売った場合よりももちろんパフォーマンスは落ちますが、それでも100万円が21年で8千万円になっています。

パターン3 高値で買って、今、売ったら、50万円

上場来最高値は2015年の1株61970円、現在の株価は1株33900円。これを元に計算していきます。

2015年(1株61970円)時点で100万円投資していれば、約16株購入できていました。

これを現在の株価、1株33900円で計算すると、33900×16=542,400円になります。約50万円です。

安値の時代には何があった

ファーストリテイリングが上場来安値をつけたのは1998年です。この時代を振り返ってみます。

とりあえず、日経平均を見てみます。

日経平均

ものの見事に下り坂ですね。バブルがはじけてみんながパニックっている時代です。味噌も糞も一緒に何もかもが投げ売りされた時代です。この時代に投資できるのはかなりの賢者です。

一方、ファーストリテイリングの業績はというと、こんな感じでした。

億円/西暦 1996年 1997年 1998年 1999年 2000年
売上高 599.59 750.20 831.20 1,110.81 2,289.85
営業利益 44.41 52.63 60.11 143.43 606.27
経常利益 45.70 55.10 63.19 141.65 604.80
当期利益 23.26 27.03 29.24 68.16 345.14
店舗数 229 276 336 368 433

最安値をつけた割には、申し分ない業績です。巨額の赤字を出したわけでもありません。安値をつけた主な原因は、平成不況によるパニック売りです。

日本銀行のレポートにもこう書かれています。

企業収益は、これまで堅調を維持してきた製造業・大企業を含め、年度後半は急速に悪化し、97年度は減益に転じた。こうした中、日本銀行「企業短期経済観測調査」(以下短観という)などでみる企業マインドも、特に年度後半、急速かつ広範に悪化した。雇用面では、製造業や建設業を中心に新規求人数が減少に転じ、非自発的離職者数の増加などに伴って失業率が既往最高水準で推移するなど、労働需給の悪化がみられた。 From 1997年度の金融および経済の動向(要旨)

この時代は、誰もが下を向いていた時代です。1997年には山一証券が破綻していますから、多くの人が日本経済終わったと思っていたはずです。

新聞   → 日本経済ヤバいと報じる

テレビ  → 日本経済ヤバいと報じる

本    → 書店に「日本経済ヤバい」系の本がいっぱい並ぶ

株式市場 → 味噌も糞も一緒に売られる

不安が不安を呼んでいる状態です。後から言うのは簡単ですが、この時にみんなと違う行動を取れた人だけがお金持ちになることができました。

バブル時代にあんなに浮かれなければ、100万円くらい投資できたのにと悔やむ人も多いはず。こんなド派手な時代が続くわけはないと。

ちなみに、この時代の日経平均をかの有名なバフェット指数を使って計算してみます。すると約55〜60になります。

バフェット指数の計算方法は、株式市場の時価総額÷その国のGDP×100です。100を超えると割高、100を下回ると割安と言われています。

高値の時代には何があった

上場来最高値は2015年の1株61970円です。これはつい最近ですね。もちろんファーストリテイリングの業績も順調でしたが、主な原因は、また、外部的な要因です。

そう、金融緩和です。

日銀が金融緩和を発表、すると瞬く間に株価が暴騰します。

新聞   → 日本経済復活と報じる

テレビ  → 日本経済復活と報じる

本    → 書店に「日本経済は本当はすごい」系の本がいっぱい並ぶ

株式市場 → 味噌も糞も一緒に買われる

しかし、この麻薬は一時的なものでした、すぐに日経平均が下がり出し、それと一緒にファーストリテイリングの株価も下がり出しました。この時に100万円投資していた人は、約50万円も損してます。

ん〜、やはり、みんなが浮かれ上がる時期に投資するのは危険きわまりないですね。

ちなみにバフェット指数は、100を超えています。

あぁ、タイムマシンがあったら戻りたい。

From ファーストリテイリング

文庫・スノーボール ウォーレン・バフェット伝

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