コロナでこんなことになるまで、わりとそこそこの経済だった日本。
そんなこともあって、最近の若い人は不景気を知らない。
「経済ヤバイな。リーマンショックみたいにならなきゃいいけど」と話してたら「リーマンショックのとき学生なんで、よくわからないんですよね」と20代前半の子に言われたので、ここで、改めてリーマンショックを思い出してみた。
就職について
不景気の影響をまじかに感じたのが就職だった。
新卒であれば内定がなかなか取れない。転職や再就職がうまくいかないなど、自分の周りでも聞かれるようになった。
親が解雇されたり、給料が減ったりして、大学を辞めたりする人もいた。
就職の環境も厳しくなった、本来であればもっと上に就職できるような人が下に来るので、競争は激化してテストやらなんやらで大変。
能力の高い人は、なんとか生き残れるが、能力の低い人は市場から溢れる。そんな当たり前だが残酷な弱肉強食な世の中だった。
労働市場が硬直化している日本においては、最初の労働キャリアが重要になってくる。ここで、生きるためとはいえ自分の不本意なところに就職すると、そこから抜け出すのはなかなか難しい。
現に理系でメーカー希望だった子は、小売からしか内定が取れなくて、今も小売に勤めている。当然、希望の職種じゃないので、会うと仕事の愚痴が多い。
あれから10年近くたったが、一回の不景気のせいで自分の希望する職種につけず、このまま一生、仕事の文句をいいながら生きるために勤めなければいけないと思うとなんか切ない。
連絡が途絶える
不景気になるとよくあるのが仲が良い友人だったと思っていた人からの連絡が急に途絶えることがある。
それは、仕事をリストラされたり、非正規雇用になったりして人と会うのが怖くなってしまったのが原因だと思う。
だいたい会った時に聞くのは近況報告だ。「今、何してるの? 仕事はどんな感じ?」
「いや〜。今、仕事探してるんだよね。」と明るく言えるのは最初だけ。
景気はそう簡単に回復しない。
失業、不本意な雇用状態が半年、1年、2年と長引くともう連絡がつかなくなる。
日本には生活保護があるため餓死して死ぬことはない。でも、資本主義のこの国において仕事失うということは大変なことだ。
どんな人であってもプライドが傷つく、そして人会うのが億劫になってくる。
今、学生の人や社会人なりたての人はわからないと思うが、社会的な地位と友人というのは意識せずともリンクしてくる。
今の生活が充実していると感じる人は「今の生活が充実していると感じる人」と付き合うし、今の生活が充実してないと感じる人は「今の生活が充実してないと感じる人」と付き合うようになる。自然に。
「なんとかなる」と言う人はだいたいなんとかなってない
不景気の時代でも明るく「なんとかなると」言ってた人がいたが、だいたいなんとかなってないことが多かった。
楽観主義な人と準備不足な人を一緒にしてはいけない。
好景気の時にきちんと貯蓄し、行動してきた人は、なんとかなるとは言わない。「たぶん大丈夫」と言う。
今回のコロナショックも似たようなことが起こると思う。ここ数年はまがいなりにも景気は良かったわけだし、準備する時間は十分にあったはずだ。
好景気に甘んじて、派手に生活レベルを上げたり、やるべき行動をやらなかった人は、たぶん、なんとかならないと思う。
人の本性がでる
不景気になるとなんだか気がギスギスして、人の本性が出やすい。え! この人こんなことするのとか。
自分のことしか考えてないじゃん。なんてことは日常茶飯事なので、覚悟しておいたほうがいい。
まぁ、だいたい、こういう人は余裕がなくなっている。
お金がない。仕事がない。など、ないないループになれば誰でもそうなるのだからしょうがない。
逆に、こんな不景気の時でも余裕がある人は、いい人と言うわけでなく。単純に、こんな不景気であっても耐えられる余力がある人だと思う。
余力があるので、理性を保ってる。なので、本性がどうかは正直わからない。
でも、こんな不景気でも理性を保てるのだから、こういう人はたぶん、この先も理性を失うことはないと思っていい。
一度、傷ついたものは簡単にはなおらない
不景気で、一番感じたのは、一度、傷ついたものは簡単にはなおらないとういことだった。
仮になんらかの理由で、生活レベルを下げる必要があって、それを実行したとしても、その生活がすぐ終わるわけではない。
まず、1年程度じゃ終わらない。
5年、もしくは10年くらいもとに戻るのに時間がかかるかもしれない。
とにかく大変だ。
これからコロナの第二波がくるのかわからないが、とにかく自分が傷つかないように準備だけはしておいたほうがいい。
準備大事。